第92章 第4シーズン撮影開始

書斎の扉が閉まり、リビングから聞こえる泣き声はそこで断ち切られた。

杉浦正弘はデスクの向こうに腰を下ろすと、引き出しから一通の書類を取り出し、杉浦陽向の前へ滑らせた。

「三日以内に、あいつにこの協議書へサインさせろ」

声はひどく低い。壁の向こうに誰かいるのを警戒しているみたいだった。

「誕生日はもう過ぎた。今サインさせないと、この金は取れん」

杉浦陽向は書類を開き、数行読んだだけで眉間に皺を寄せた。

「電話も出ない。明日は『スターファミリー』の収録だし、灰原仁司の人間がずっと張り付いてるはずだろ。親父、どうやってサインさせるんだよ」

杉浦正弘は椅子の背にもたれ、含みのある表情で...

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